市販されている様々な「吸水土のう」の品質はどうでしょうか。
また、緊急時の防災製品として下記技術課題をクリアーしているのでしょうか、
当社の吸水実験室(Labo)で比較実験をしてみましょう。
緊急時に使われる「吸水土のう」は、実用的な防災用品として次のような技術課題(要求)をクリアーしていなければなりません。
吸水体であるSAPは紫外線(太陽光線)や熱・湿気で変質・劣化する性質を持っていますので備蓄製品を検証。
SAPは綿状のパルプの中で静かに眠っているため、硬化・変色無し。
購入時吸湿し既に硬く固まっていた。
購入後、2年経過した製品。
吸湿し硬く固まり、黄色に変色していた。
購入後2年経過した製品。Bと同様であった。
備蓄製品は寿命が重要です。
寿命は不詳だが、変質・劣化は製品の機能に影響を与えるものと予想する。
タイプ LL-1 / LH-1 / LQ-1 共
10年間保管していた製品を中間吸水実験の結果、吸水スピードは少し落ちるが吸水量に変化無し。
水槽放置実験(製品を一度水中に手で押し込んでから実験開始)
水面に浮いた状態
すぐに吸水し始める
製品Cは吸水速度が極めて遅いので、この時点でSAPを手で揉んで水中に放置。
吸水量20%程
ほぼ表示吸水量に達している
水槽の外に外に取り出して撮影。
表示吸水量は17 / 20ℓと、3ℓの違いはあるが「アクアボーイ」は2分で表示吸水量に達するのに対し製品Cは20%程にしか達していない。
並べ・重ねて、実際に止水できるかどうかの検証実験
丸く膨らんで、隙間から水を逃がさぬよう、「アクアボーイ」タイプ:LL-1とJB-1の袋の両端はガセット加工をしています。
丸く膨らみ、隙間から水が漏れる。
キューブ(四角)状に膨らみ、水を逃がしません。
止水の為には高さが必要です。
13cm
15cm
室内に浸水してきた水や漏水を捕捉・吸水できる機能。
止水だけでなく、屋内に流れ込んだ水を除去する事が必要です。
狭い場所では加圧されて水を吸い上げません。
狭い間所でも化学繊維の毛細管現象により、ポンプの様に水を吸い上げます。
しっかり捕捉できなければ重大事故につながります。
漏水がSAPに触れないと素通りしてしまいます。
製品の一端に漏水が触れれば吸水し続けます。
水の中でSAPを手で揉みほぐさなければなりません。
水の中に放置するだけで自ら一気に吸水します。
洪水・集中豪雨時の止水だけを目的としている。
製品は美しく、止水だけでなく建屋内の排水・漏水対策にも使えます。
SAPは細かなパウダー状ですから、保管・吸水時外部にこぼれたり、漏れ出ないようにする事が必要です。
製品A、Cは保管時SAPのこぼれが、また製品Cは吸水後、袋の表面や縫い目からジェルの漏れあり。
親水性があり、SAPが透過しないPP不織布を使っているのでSAPのこぼれやジェル漏れ無し。