「吸水土のう」の
技術課題

市販されている様々な「吸水土のう」の品質はどうでしょうか。

また、緊急時の防災製品として下記技術課題をクリアーしているのでしょうか、

当社の吸水実験室(Labo)で比較実験をしてみましょう。

「吸水土のう」の技術課題

緊急時に使われる「吸水土のう」は、実用的な防災用品として次のような技術課題(要求)をクリアーしていなければなりません。

  1. 1. 保管中、変質や劣化がない事。
  2. 2. 水害防止用品としての下記機能。
    • 1) 吸水スピード・吸水量
    • 2) 止水機能
    • 3) 排水・漏水捕捉機能(流れ込んだ水の排水や漏水を捕捉する機能)
  3. 3. 利便性がある事。

1.保管中、変質や劣化がない事

1) 変質・劣化

吸水体であるSAPは紫外線(太陽光線)や熱・湿気で変質・劣化する性質を持っていますので備蓄製品を検証。

アクアボーイ 全タイプ
(LL-1 / LH-1 / LQ-1)

SAPは綿状のパルプの中で静かに眠っているため、硬化・変色無し。

他社
製品A (20ℓ 吸水)

購入時吸湿し既に硬く固まっていた。

製品B (20ℓ 吸水)

購入後、2年経過した製品。
吸湿し硬く固まり、黄色に変色していた。

製品C (17ℓ 吸水)

購入後2年経過した製品。Bと同様であった。

2) 保管寿命

備蓄製品は寿命が重要です。

製品ABC共通

寿命は不詳だが、変質・劣化は製品の機能に影響を与えるものと予想する。

アクアボーイ

タイプ LL-1 / LH-1 / LQ-1 共

10年以上

10年間保管していた製品を中間吸水実験の結果、吸水スピードは少し落ちるが吸水量に変化無し。

2.水害防止用品としての機能

1) 吸水スピード・吸水量

水槽放置実験(製品を一度水中に手で押し込んでから実験開始)

水槽放置1分後
製品C (17ℓ 吸水)

水面に浮いた状態

アクアボーイ LL-1 (20ℓ 吸水)

すぐに吸水し始める

水槽放置2分後

製品Cは吸水速度が極めて遅いので、この時点でSAPを手で揉んで水中に放置。

吸水量20%程

ほぼ表示吸水量に達している

水槽放置10分後

水槽の外に外に取り出して撮影。

吸水特性曲線

表示吸水量は17 / 20ℓと、3ℓの違いはあるが「アクアボーイ」は2分で表示吸水量に達するのに対し製品Cは20%程にしか達していない。

2)止水機能

並べ・重ねて、実際に止水できるかどうかの検証実験

ガセット(折り込み)

丸く膨らんで、隙間から水を逃がさぬよう、「アクアボーイ」タイプ:LL-1とJB-1の袋の両端はガセット加工をしています。

製品A (20ℓ 吸水)
吸水前

丸く膨らみ、隙間から水が漏れる。

「アクアボーイ」 JB-1 (22ℓ 吸水)
吸水前

キューブ(四角)状に膨らみ、水を逃がしません。

吸水後高さ

止水の為には高さが必要です。

13cm

15cm

3)排水・漏水捕捉機能

室内に浸水してきた水や漏水を捕捉・吸水できる機能。

排水機能

止水だけでなく、屋内に流れ込んだ水を除去する事が必要です。

製品C

狭い場所では加圧されて水を吸い上げません。

アクアボーイ LH-1

狭い間所でも化学繊維の毛細管現象により、ポンプの様に水を吸い上げます。

漏水の捕捉機能

しっかり捕捉できなければ重大事故につながります。

製品C (PE袋)

漏水がSAPに触れないと素通りしてしまいます。

製品 (タイプ : LL-1)

製品の一端に漏水が触れれば吸水し続けます。

3.利便性

緊急時の使いやすさ
製品ABC共通

水の中でSAPを手で揉みほぐさなければなりません。

アクアボーイ

水の中に放置するだけで自ら一気に吸水します。

汎用性
製品ABC共通

洪水・集中豪雨時の止水だけを目的としている。

アクアボーイ

製品は美しく、止水だけでなく建屋内の排水・漏水対策にも使えます。

SAPの漏れ

SAPは細かなパウダー状ですから、保管・吸水時外部にこぼれたり、漏れ出ないようにする事が必要です。

製品ABC共通

製品A、Cは保管時SAPのこぼれが、また製品Cは吸水後、袋の表面や縫い目からジェルの漏れあり。

アクアボーイ

親水性があり、SAPが透過しないPP不織布を使っているのでSAPのこぼれやジェル漏れ無し。

AQUA-BOY